太平洋戦争)その5開戦〕その4

既に述べましたが、些か次元の低い戦評に従いますと、この戦争は石油の為にやりました。相手は主として米国です。開戦後早い時期に既にスマトラ島において十分な量の石油を確保しています。鉱物資源等戦争の継続に必要な資源類も占領し支配下にある地域から、殆ど入手可能だったはずです。問題は補給路が長い点で、所謂、ロジタンをどう処理するか、これがキーポイントでした。日本の敗戦は、既に述べた如く一本の幹になる大作戦があり、これの達成のために、全員が一丸となって戦うというやり方ではなく、所謂、散漫神経系の行き当たりばったりのものでありました。特にロジタンが全くなっていませんでした。即ち当初物資は十分にあったはずのところ、補給に失敗して、国民生活にも窮乏するような状態にしてしまいました。要は、長く伸びた補給路を如何に維持管理していくか、それがこの戦いにおける、日本の生命線であるという認識も無いままに、戦線だけをやたら拡大し、まずい事があれば「神風が吹く」位のいい加減な戦いをしたと判断されます。

それから、最初の真珠湾攻撃というのは結果的に全く無意味な作戦でした。これは「真珠湾占領」であるべきであり、真珠湾を基地化した上での「米本土爆撃」でなければならなかったのです。こう述べていくと、まるで筆者が非常に好戦的であるかのごとき印象を与えてしまうかもしれませんが、そうではなくて、「次元の低い戦評」とは異なり、当事者たる昭和天皇には異なったビジョンをお持ちになって、このような戦いをお初めになったと思いますが、結果は裏腹となってしまいました。この敗戦の主因たる東条英機は原爆2発を見舞われ、やむなく、昭和天皇が、終戦を決意された時点でも昭和天皇に戦争の継続を訴えたというから、全く救いようの無い馬鹿であります。ですから、東条英機が祀られてからは、靖国神社には天皇家は一切お参りしていません。但し、この事は私見であり、天皇家にご迷惑をお掛けするつもりは全くありません。